【地検のS】全ての裏に、奴がいる。

〈正義の最前線〉地方検察庁。

シロかクロかのジャッジが、一人の男に握られているとしたら――。

すべての裏に、奴がいる。

元新聞記者の著者による、まったく新しい地検ミステリ―。

講談社 地検のS

今回は伊兼源太郎作の【地検のS】を紹介します。

地検のSは5つの短編で出来ていて、

それぞれの短編で主人公は

新聞記者 検察事務官 弁護士 検察官 総務課員です。

主人公が変わり、物語の視点は変わるもののストーリーはつながっています

そして5つの短編すべてに

伊勢雅行というキーパーソンが登場します。

伊勢雅行は湊川地検の総務課長で、地検のトップの懐刀です。

(懐刀…腹心の部下)

白髪であり、スパイめいた活躍をすることから[S] といわれています。

地検内の事務や量刑の判断にまで関わっていると言われていて

湊川地検で起きることの裏には必ず伊勢[S]の存在があります

この謎の人物伊勢と5人の主人公は関わり…。

短編5つのあらすじ

置き土産

東洋新聞湊川支局の司法担当の沢村慎吾は

もう少しで刑事部から政治部への移動ができるというところで

他社の新聞に「湊川地裁での無罪判決」のスクープを抜かれてしまった。

1週間以内に抜き返さなければ

上司から政治部への推進はしないと迫られた沢村が

軽い事件をあつかう法廷のフロアを歩いていると法廷を覗く伊勢に遭遇する。

沢村は軽い刑事事件に興味をもつ伊勢に疑問を抱くと…。

暗闘法廷

検察事務官の新田と、新田が信頼する検事の森本は

暴力団がらみの面倒な事件を押し付けられた。

捜査段階で罪を認めていた被告人が公判で否認に転じたのだ。

新田は「否認を後悔させろ」との上層部からの

圧力の影に伊勢の存在があることに気づき…。

シロとクロ

ヤメ検事の小野が所長を務める小野法律事務所の

弁護士別府直美は弁護士が一生あるかないかの

無罪判決を勝ち取れる公算が大きいのに気分は進まなかった。

自分が弁護している被告人が無罪とは思えず、

被告人を弁護することが正しいのかどうか葛藤する。

そんな中事務所に伊勢が訪ねてきて…。

特別刑事部の検察官相川翔子は

永島亜美の事情聴取の担当になった。

永島亜美は衆院議員の汚職に関係しているとされ、

10年前にはDV夫をナイフで殺害した過去があった。

さらに永島の口座には原資不明の金が振り込まれており

相川は上司から絶対に永島に自供させろと迫られるのだが

無理な聴取を拒否すると担当を外されてしまい、

相川は人事も担当している伊勢の協力をあおぎ…。

証拠紛失

総務課員の三好正一は上司の伊勢から

国会議員の汚職の証拠となるメモが紛失したため

メモを探し出せという任務を受ける。

三好は自分が反伊勢派でスパイだということが伊勢にばれたため

わざと失敗させて自分を追放するための任務だと疑うが…。

見どころ

正義とは何か

登場人物それぞれの正義があって

何が正しいのかは人それぞれ。

法律的には正しくても人間的にも正しいとは限らない。

伊勢はなぜスパイめいたことをしているのか、

伊勢の正義が徐々にわかってきます。

感想

ちょっと堅くて難しかった。

正しいことは何かというテーマで構成されているみたいで

なかなか深い小説でした。

5人の主人公それぞれの葛藤が書かれているのが

読んでいて飽きない要因でした。

最後に伊勢がなぜスパイっぽい活動をしているのかが

判明するのですが、なかなか悲しい過去があったんだなと…。

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地検のS

伊兼 源太郎 講談社 2018-02-22
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by ヨメレバ

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